働き方改革や感染症対策のため、時間や場所に縛られず働くテレワークを導入する企業が増えています。離れた場所にいる参加者同士をつなぐ「オンライン会議」は、テレワークという新しい働き方を支えるシステムです。
オンライン会議(Web会議)システムは3つに分けられる
遠隔で行うリモート会議(リモートミーティング)は、大きくオンライン会議とテレビ会議に分かれます。大容量データ通信が一般に普及している現在、利用が拡大しているのはオンライン会議です。オンライン会議はWeb会議と呼ばれることもありますが、基本的に同じ意味だと考えていいでしょう。利用するサーバーやソフトウェアなどの種類により、クラウド型・ブラウザ型・オンプレミス型という3つのシステムに分けられます。
①クラウド型
クラウド型のオンライン会議システムは、サービスを提供する事業者がオンライン上のサーバーで管理・運営しているシステムを、インターネットを介して利用します。事業者が提供する専用のアプリケーションやソフトウェアをダウンロードする作業が必要なため、参加者が使用するデバイスに対応していなければ利用できません。しかし、自社でサーバーを用意する手間や、システムを構築・管理する人員が不要なため、人手もコストも抑えられます。提供事業者と契約してアプリケーションをダウンロードすれば、すぐに始められるのも便利な点でしょう。「Skype」や「Zoom」などが、クラウド型の有名な製品です。
②ブラウザ型
ブラウザ型のオンライン会議システムは、普段使っているGoogle ChromeやFirefox、SafariといったWebブラウザで利用できます。会議の参加者は、専用のアプリケーションやソフトウェアをインストールしなくても利用でき、システム更新のアップデート作業も必要ありません。システムを提供する事業者のWebサイト上で利用するか、オンライン会議用の共有URLを発行して参加者だけがアクセスできる仕組みになっています。「Google Meet」などが、ブラウザ型の有名な製品です。
③オンプレミス型
オンオンプレミス型のオンライン会議は、自社のサーバーにシステムを設置し、社内ネットワークを介して利用します。自社でサーバーを保有してシステムを構築するなど、利用開始までに時間と手間を要し、障害時の対応やメンテナンスができる管理者を社内に置く必要もあるでしょう。しかし、利用を社内ネットワークに限ることができるため、管理体制が適切であれば情報漏洩のリスクが少なく、セキュリティも高いシステムです。参加者は社員だけに限らず、取引先の担当者など社外の人も招待できます。
オンライン会議(Web会議)システムには有料と無料のものがある
オンライン会議システムには、事業者が有料で提供しているもの、無料で提供しているものがあります。使用できる機能の多さにより、有料版と無料版に分けられているシステムもあるため、業務に利用する目的に応じて使い分けましょう。一般的に、無料版のシステムでは、利用人数や時間の制限があり、機能もシンプルです。一方、有料版のシステムでは、プランに応じて利用人数や時間の制限がなくなる、多彩な機能が使用できる、いざというときのサポート体制が整っている、セキュリティ機能が強化されているなどの強みがあります。
オンライン会議とテレビ会議の違いとは
オンライン会議とテレビ会議は、どちらも「参加者が同じ空間にいなくても会議ができる」リモート会議の一種であり、遠隔地の相手と画面越しに会議や打ち合わせができるシステムです。主な違いは「利用する回線」と「必要なデバイス」ですが、仕組みも機能も異なるため、利用目的に応じて使い分けるといいでしょう。
オンライン会議:利用者が持っているデバイスを使用するシステム
オンライン会議システムは、パソコン・スマートフォン・タブレットなど普段使用しているデバイスと、簡易的なカメラやマイク、スピーカーで利用できます。利用者が使い慣れた自分のデバイスで会議に参加できるため、操作もしやすいでしょう。システムにアクセスする際のインターネット回線も、一般的なWi-Fiやモバイル回線が使用できます。
オフィス内の自席でパソコンを使って行うほか、持ち運び可能なデバイスを利用すれば、会議室やオフィスである必要もありません。動画と音声の送受信が問題なく行えるインターネット回線さえ準備できれば、自宅や外出先、カフェ、レンタルオフィスなど場所を問わず参加できます。特にテレワーク中の社員同士をつなぐには、最適のシステムといえるでしょう。
テレビ会議:会議室などに設置済みのモニター・カメラ・マイクを使用するシステム
テレビ会議システムは、会議室など特定の場所に据え置き型の専用機器を設置し、専用回線を用いて相手側の会議室と接続します。専用端末やモニタ、カメラ、マイクとスピーカーといった機材を各拠点に導入するため、初期費用が膨らみやすいでしょう。また、システム機材は持ち運びができないため、参加者自身が会議室に移動する必要があり、場所を自由に選ぶことはできません。しかし、専用端末を用いるため、オンライン会議よりも高解像度・高品質の映像と音声を安定して利用できる場合が多いでしょう。会議機能に特化したシステムのため、質の高い会議を行いたいという場合に向いています。
オンライン会議(Web会議)導入のメリット
オンライン会議システムは、テレビ会議に比べて導入時のコストも低く、導入しやすいといえます。オンライン会議システムのメリットについて、7つの点から解説します。
ICTを駆使して、対面時と同じように会話ができる
電話やメールで離れた場所との業務連絡を行う場合は、音声や文章だけのやりとりになるため、伝えたい内容が行き違うこともあるかもしれません。ICT(情報通信技術)を駆使したオンライン会議システムでは、画面を通じてお互いの表情を確認し合うことが可能です。表情やジェスチャーなどが目で見てわかるため、その場で対面しているときと同じように、お互いの感情が伝わります。意図を把握しやすく、スムーズなやりとりができるメリットがあるでしょう。
リモートワークでも、緊急時でも情報共有や連絡を迅速に行える
業務を行う中で、時には緊急事態が起こることもあります。たとえば交通機関の運休や、感染症予防などで出社が難しい場合にも、日頃からオンライン会議システムに慣れておけば、普段と変わりなく業務を行うことが可能です。また、急な自然災害の発生時にも、経営陣が従業員の安全と状況を確認することができ、的確な指示が出せます。リモートワーク中の社員との情報共有や連絡を迅速に行いたい場合は、チャットのやりとりやファイルの送受信、タスク管理が行えるオンライン会議システムを使用するといいでしょう。
意思決定者が遠隔地にいる場合でも迅速な判断・決定が可能
意思決定者が遠隔地にいる・プロジェクトに欠かせない参加者が集まれないなどの場合、従来の会議では開催日時を変更するか、あとから電話やメールで、指示を仰いだり承認を得たりする必要があります。意思決定が遅れれば、ビジネスチャンスを逃してしまう可能性もありました。遠隔地から参加できるオンライン会議では、意思決定者が海外出張中などの場合も、会議に参加して迅速な判断や決定を行うことが可能です。
経費削減にもつながる
オンライン会議システムは、テレビ会議のように専用機器や回線を用意して初期費用が膨らみがちなシステムとは異なり、低コストで導入できます。特にクラウド型・ブラウザ型であれば、初期費用が無料のサービスも多く、サーバーの管理やシステムのメンテナンスも事業者側が定期的に行ってくれるため、トータルのコストを大幅に抑えることができるでしょう。本社で行う全体会議や、遠方のクライアントとの商談、取引先との日常の打ち合わせに活用すれば、宿泊費・人件費を含めた出張費、社員の移動にかかる交通費がすべて不要となり、経費削減にもつながります。
また、近年ではSDGs(持続可能な開発目標)を掲げる企業も増えていますが、社員の移動を減らせば、経費と同時にCO2排出量も削減することができます。身近な業務から、気候変動に具体的な対策を行うことができ、国際的な環境課題の解決にも貢献することになるでしょう。
時間の削減につながる
オンライン会議システムが削減するのは、経費だけではありません。参加者が普段作業している場所でそのまま会議に出席できるため、会議室や打ち合わせする取引先への往復の移動時間も削減可能です。移動手段の確保から交通費清算といった業務も必要なくなり、会議の準備にかかる時間、たとえば参加者のスケジュール調整や会議室の予約、座席や飲み物の用意もしなくて済むでしょう。ひとつひとつは短時間で終わる業務かもしれませんが、年間単位で考えれば大幅な時間の削減につながります。
業務を効率化できる
オンライン会議システムの中でも、パソコンの画面共有が可能なシステムを利用すれば、参加者がデータを開いて画面を共有しながら説明できます。資料を印刷・配布する手間が不要になり、紙の資料の置き忘れによる重要情報の流出リスクもありません。データをクラウド上に保存して、参加者が編集できるシステムを利用すれば、会議の間に必要なデータを完成させることもできます。録画機能があるシステムなら、議事録の作成もスムーズです。会議の開始前まで自席で業務を続け、終了後に業務を再開することも容易なため、スケジュールの調整もしやすいでしょう。経費・時間・手間・リスクの削減により、業務の効率化と生産性の向上が期待できます。
社内の情報共有がスムーズになり、社内コミュニケーションも活性化する
オンライン会議システムは、画面を通して顔を見ながら、対面で会話しているような感覚で進行できます。場所を選ばず利用できる手軽さから、会議をするほどでもない報連相にも役立つでしょう。会議室での会議よりもフラットな雰囲気になりやすいため、発言しやすいと感じる人も多いようです。電話やメールのやりとりが主だった他部署やリモートワークの社員とも、顔を見ながら話せるため、社内コミュニケーションの活性化も期待できるでしょう。全体朝礼やイベント、研修や面談などに活用する企業も増えています。
デメリット
メリットの多いオンライン会議ですが、デメリットも存在します。事前に知っておき、自分にとって最適なシステムを選ぶのに役立てましょう。
高い運用コスト
オンプレミス型のオンライン会議システムを利用する場合、自社のサーバーを用意してシステムを構築する必要があるため、導入コストがかかります。システム運用開始後も、サーバーなどハードウェアの保守や、物理的に離れた場所から社内ネットワークへ接続できる拠点を拡大する場合の設備費を負担する必要があり、運用コストが高くなりがちです。セキュリティ面での安全性が増す利点はありますが、導入・運用コストを抑えたい場合には、クラウド型やブラウザ型の利用を検討するといいでしょう。
機材の保守期間切れや老化状態によっては、買い替えの検討も必要
オンプレミス型のオンライン会議システムでは、機材などの導入コストが高くても長期的に見ると安くなる場合があります。しかし、長く使用しているうちに機材の保守期間が切れたり、老化したりといった理由で、買い替えを検討する必要が出てくるでしょう。機材を買い替えるコストを削減したい場合には、クラウド型やブラウザ型のシステム利用を考えてみる価値があります。
その他
インターネット環境に左右されやすい
クラウド型・ブラウザ型のオンライン会議システムでは、インターネット環境により利用状況が左右されます。音声や映像のタイムラグ、通信の切断が起こると、業務の効率を下げる要因となりがちです。Wi-Fiやモバイル回線での接続時に通信が不安定な場合には固定回線を検討する、大人数で利用する際には家庭用ではなくビジネス用の回線を準備するなど、通信の安定した環境を確保しましょう。システムそのものの容量が大きくて動作が不安定になる場合には、容量を抑えた、安定性の高いシステムを選ぶのもおすすめです。
参加者が多すぎると発言しづらい
参加者が多くなると、発言しようとしたタイミングで他の人と声が被ってしまい、発言やリアクションを控えてしまう可能性があります。誰が発言したかわからない、音声が聞き取れない、資料が見えにくいなどの状況により、議題についていけず黙り込んでしまうこともあるでしょう。個々の発言の時間を設ける、チャットが利用できる場合は有効活用する、などの対処法をおすすめします。
ITが苦手だと利用しづらい
パソコンの利用に不慣れな人や、オンライン会議をしたことがなく、利用に抵抗がある人もいるでしょう。オンライン会議では、参加者全員が同じシステムを利用できなければ、会議が行えません。会社が貸与するパソコンであればシステムを設定してから渡す、参加者自身のデバイスを使う場合はできるだけ簡単な方法で利用できるシステムを選ぶ、など工夫するといいでしょう。不慣れな人がいる場合には、参加者がURLをクリックするだけで会議に参加できる機能があるシステムを選ぶのも、おすすめです。
オンライン会議(Web会議)システムの選び方
リモートワークが広がるにつれて、オンライン会議システムを提供する事業者も増えています。どのようなシステムが自社や自分に向いているのか、選び方のポイントを解説します。
映像・音声の品質
映像や音声の乱れ、通信が途切れるような状況では、会議のスムーズな進行が難しくなります。例えば、音声がクリアに聞こえなければ、発言が理解できずに聞き返しが増えますし、画像がクリアでなければ、共有した資料が見えにくいでしょう。自社の会議に必要な映像・音声レベルがどの程度かを考え、高い品質が必要だと判断すれば、システム自体の安定性が高いものや、映像・音声の提供品質にこだわって選ぶのも1つの方法です。
同時接続数
オンライン会議システムは、同時接続できる人数に上限が設けられている場合があります。大人数で利用できるシステムの場合は、参加者の発言が重なった際に、それぞれの音声がクリアに聞き取れるか、誰の発言かがわかりやすいシステムになっているか、なども重要です。発言者を識別して、画像をメイン表示してくれる機能がついたシステムもあります。自社のオンライン会議の利用目的や参加人数に合わせて、同時接続数を確認しましょう。
ユーザビリティ(操作性)
オンライン会議は、日常的に利用することで、システムのメリットが活用できます。充実した多機能システムであっても、設定が複雑で操作が難しければ、活用されなくなってしまうでしょう。そのため、利用者のデバイスに簡単にシステムが導入できること、参加者全員の誰が見てもわかりやすいシンプルな画面設計であること、マニュアルを作成・参照しなくても直感的に理解できること、機能のオンオフが単純操作で可能なシステムであることなどが重要です。自社に必要な機能があるか、操作が容易か、試用版の無料トライアルなどで事前に確認することをおすすめします。
セキュリティ
クラウド型やブラウザ型は、システムを提供する事業者によってセキュリティレベルが変わります。セキュリティを重視したい場合は、IPアドレスの指定によるアクセス制限や、パスワード設定が可能なシステムを選ぶといいでしょう。また、暗号化通信が可能で、事業者のサーバーを介さずに参加者同士をつなげるシステムであれば、個人情報を残さずに利用できるため、セキュリティ面でも安心です。
サポート体制
参加者全員がシステムを使いこなせるとは限らないため、導入時のフォロー体制や、トラブル時に相談できる窓口の存在は重要です。電話・メール・チャットなど、サポート方法が自分に向いているかも確認しておきましょう。海外製品の場合、日本語サポートが可能であれば安心です。
費用対効果があるか、導入前とのコスト比較
無料版のシステムで自社の求める機能がそろえば、コストをかけずに導入可能です。しかし、業務で利用する場合には、操作性やセキュリティ面などの使い勝手や安全性と、コストのバランスを考える必要があります。有料版を導入する際のコストとしては、初期費用とランニングコストを合わせた予算を確認しましょう。さらに、システムの導入によって得られる経費削減効果と、業務の効率化による生産性アップ効果を予測します。費用対効果を比べて考え、自社に最適なシステムを選びましょう。
オンライン会議に使用できる、テレワークにおすすめのツールとは?
テレワークにおすすめのツールは、日常的に使いやすい簡単操作のシンプルなオンライン会議システムです。ユーザー登録などの面倒な手続きがなく、URLをクリックするだけでオンライン会議に必要なビデオ通話が始められれば、パソコンに詳しくない人でも簡単に利用できます。新しいソフトウェアのダウンロードが不要なシステムは、導入することで現在利用している他のシステムに影響を与えるリスクもなく、安全です。セキュリティ面では、暗号化通信で、事業者のサーバーを介さず相手と直接1on1でつなぐサービスなら、個人情報を残さないため高い安全性を保てるでしょう。以上の点を兼ね備えたツールとして、イメージナビ株式会社の「トークトーク」をおすすめします。
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