病院・介護施設で導入されたオンライン面会とは

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2020年の新型コロナウイルスの流行以降、社会全体でリモートワークやテレワークを中心とした非接触の取り組みが展開されてきました。病院や介護施設においても、オンライン面会という新たな様式が導入されています。

オンライン面会とは

オンライン面会とは「Web面会」「リモート面会」と呼ばれる事もある、インターネット上のビデオ通話ツールを介して面会を行う事です。まずはオンライン面会の概要や現状について以下にざっくりと解説していきます。

オンライン面会の現状

ビデオ通話のツールやサービス自体は2000年代に入った頃から徐々に普及してきたものですが、オンライン面会という様式が一般的に認知されるようになったのは2020年の新型コロナウイルス流行以降です。濃厚接触による感染拡大が懸念される事から様々な施設での面会が困難となり、2020年11月時点では医療機関の約7割が従来の対面式面会を中止したという調査結果も出ています。そんな中でも全体の16%がすぐにオンライン面会システムを導入していました
(引用元:https://sukoyaka.org/report/2020/11/05/report_3/)。

オンライン面会の方法

オンライン面会を行うにはまずビデオ通話に対応したPC・スマホ・タブレットなどを用意する必要があります。ビデオ通話はLINEのような通話対応SNSを利用する事もあれば、Zoomのようなビデオ会議ツールを活用する事もあるので留意しておきましょう。需要が高まっている昨今では、特定の業界に特化したオンライン面会サービスやオンライン面会アプリも展開されているのでチェックしてみるのがおすすめです。特にIT系の知識やノウハウに自信がない場合には、こうしたサービスを利用する事でスムーズな導入が可能になります。

オンライン面会に適している施設(医療・介護施設)

オンライン面会は様々な業界で普及が進んでいますが、特に医療施設・介護施設との相性が良いとされています。医療施設では感染症患者の受け入れを実施しているところも多く、面会に行くだけでも感染のリスクが高いです。そのため、オンライン面会によって接触を回避する事で患者と面会者の安全性を確保する必要性が高まりました。また、新型コロナウイルスは高齢者の重症化が目立つ傾向にあったため、介護施設での感染症対策も重要な課題です。遠方から面会に訪れる事が難しい家族からのニーズも相まって、介護施設におけるオンライン面会システム導入の機運は高まりを見せています。

オンライン面会の3つのメリット

オンライン面会には大きく分けて以下のような3つのメリットが期待出来ます。これらは施設・入居者・面会者のすべてに関係している事なので、しっかりと押さえておきましょう。

入所者・患者さまの精神的安定

施設の入居者や入院患者は基本的に遠くへ外出する事が出来ず、室内でのレクリエーションの種類も限られています。そのため長期間施設で過ごしているとメンタルが落ち込んでしまい、日常生活はもちろんリハビリや治療にも影響を及ぼしてしまう可能性があるのです。しかしオンライン面談で安全性を確保した上で家族や友人とコミュニケーションを取る事が出来れば、入居者や患者のストレスを緩和してあげられます。精神面の安定は医療施設や介護施設での業務において、大きな意味を持っていると言えるでしょう。

面会者の利便性アップ

オンライン面会は利便性の高さから面会者からのニーズが高いです。例えばオンライン面会では面会者が施設へ足を運ぶ必要がないため、移動にかかる時間・労力・費用などを抑える事が出来ます。仕事や家事に追われる人が多い現代において、これらのコストを削減して効率的に面会出来るのは大きなメリットです。施設側の対応が追いつけば面会の回数を増やしてあげられる可能性もあります。

感染症対策

オンライン面会が普及し始めた要因でもありますが、やはり感染症対策に効果的であるという点は大きなメリットでしょう。移動の必要がないオンライン面会であれば、面会者が道中でウイルスに接触するリスクも抑える事が出来ます。つまり、施設側としても外部からウイルスが侵入する危険を回避出来るのです。非接触型の新しい生活様式として、オンライン面会はこれからも定着していく事が予想されます。

オンライン面会導入のポイント・注意点

施設・入居者・面会者それぞれにメリットが期待出来るオンライン面会ですが、施設側がシステムを導入するにあたってはいくつか気を付けておきたいポイントがあります。予期せぬトラブルを未然に防ぐために、以下の点に注意しておきましょう。

機材の用意・管理

オンライン面会の環境を整えるには、まず施設にビデオ通話が可能な機材を用意しておく必要があります。アプリのインストールやサービスの利用手続きなども施設側で済ませておく必要があるので、ある程度IT系の知識がある人材を担当者に据えておきましょう。なお、オンライン面会の実施には施設側だけでなく面会者側でもデバイスとアプリを用意してもらう必要があります。

通話環境の整備

オンライン面会を快適な状況で提供するためには、最適な通話環境を整えておく事も大切です。インターネット回線の通信速度は施設全体の通信量によって上下するため、出来ればゆとりを持ったプランにしておきましょう。また、面会での会話にはプライベートな内容や個人情報が多分に含まれている可能性が高いので、個室空間で他の入居者に会話を聞かれにくい環境を作ってあげるのがベターです。道路や工事など周囲の騒音が少ない場所を選定してあげるのも大切なポイントとなります。

マニュアル整備・操作方法の周知

会話中の音量調整など細かい操作は入居者が行う場合もありますが、オンライン面会で使用する機材やアプリは基本的に施設の従業員が操作する事になります。そのため、担当者以外の従業員でも操作方法が分かるように分かりやすいマニュアルの整備や、操作・設定方法の周知を徹底しておく事が重要です。特に介護施設では高齢者の入居者が自分で操作出来ないというケースも多いので、従業員側で手際よくサポートしてあげられる体制を整えておきましょう。

親族の同意

オンライン面会システムで利用するビデオ通話ツールは、基本的に会員登録が必要なものが多いです。施設側で使用するアカウントを作成する際にも、ツールやサービスによっては利用者の情報を個別に登録する事があります。もちろん、面会者側がアカウントを作る場合にも電話番号やメールアドレスといった個人情報を入力する事になるでしょう。人によってはこうした個人情報の取り扱いに敏感なケースもあるので、予め親族の同意を得ておくと安心です。

感染症対策

感染症対策に有効なオンライン面会システムですが、逆説的にこのオンライン面会システムの取り扱いに対して感染症対策が必要になる事もあるので注意しましょう。これはオンライン面会で使用するデバイスに不特定多数の人が触れるためです。利用の前後で消毒措置を取る、保管場所や管理方法には細心の注意を払うなど施設内でルールの明確化と意識の共有を呼びかけておきましょう。

オンライン面会におすすめのツールとは

オンライン面会に利用出来るツールは多種多様ですが、どれを使っても同じという訳ではありません。利用者に安心かつ快適なオンライン面談を提供するためには、次のようなポイントを押さえてツールを選定してみてください。

安定性が高いもの

オンライン面会アプリがインターネット回線を介してビデオ通話を行う以上、通話品質における安定性の高さは重要なポイントであると言えるでしょう。同じ回線速度でも、使用するアプリによって通話の安定性は異なるため慎重に選んでおきたいところです。音声や映像は途切れないか・画質は十分であるか・万一の際のサポートは充実しているかなど、いくつかのポイントを比較してみてください。無料体験期間やフリープランが設けられている場合もあるので、まずは従業員間で試しに使ってみて検討するのもおすすめです。

操作性が簡単なもの

なるべく機能がシンプルで操作が簡単なツールを選ぶというのも大きなポイントです。オンライン面会では企業が行うWeb会議のように、複雑な機能が欲しくなるような場面はあまりありません。医療施設や介護施設には様々な人が入居しているので、誰でも簡単に扱えるくらいシンプルなものが望ましいです。機能や使い方がシンプルであれば、従業員も扱い方を覚えやすくサポートが容易になります。登録から利用開始までの手続きも簡単なものを選んでおくと、面会者への負担も軽くする事が出来るでしょう。

費用対効果

オンライン面会サービスは無料で使えるものと、有料プランに登録して月々利用料を支払うものがあります。オンライン面会自体は施設の収入源となるものではないので、出来ればシステム構築のコストは抑えておきたいという人も多いでしょう。もちろん無料ツールの中には世界的なシェアを誇り、十分な通話品質を提供しているものもあります。しかし、一般的には有料ツールあるいは有料プランの方が高品質な通話が可能である傾向にあるため、一概に料金だけで決められないというのも事実です。オンライン面会にあたって重視するのは何なのか、最低限どのような機能やサポートが実装されていれば良いのかを明確にして、費用対効果でツールを選んでみてください。

オンライン面会を実施している施設事例

オンライン面会システムは既に多数の施設で導入実績があり、入居者や面会者からも概ね好評です。実際にどのような導入事例があるのかを以下に紹介します。

特別養護老人ホームにてLINE・Skype・ZOOMアプリを活用

茨城県にある特別養護老人ホームでは、LINE・Skype・ZOOMといった世界的にシェア率の高い著名ツールを駆使してオンライン面会の機会を提供しています。面会希望者は予め施設側に面会同意書を提出しておき、入所者と面会者の氏名・面会者のLINE ID・メールアドレスなどの情報を通知しておく仕組みです。申請を受けた施設は面会希望者のメールアドレス宛にツールのフレンド登録用URLを送付し、予約日時に面会希望者のアカウントへビデオ通話をかけてオンライン面会が実現します。

「LINE」公式サイトはコチラ
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病院にて「Google Duo」を用いた面会を実施

都内のとある医療施設では、オンライン面談用のツールとして大手検索エンジンを手がけるGoogle社製の「Google Duo」を採用しています。面会希望者が日時の予約とGoogle Duoのインストールを済ませて施設からの着信を待つスタイルです。Google Duoは普段からGoogleを利用している人であれば比較的簡単に扱えますが、施設側では公式ホームページに簡単な操作手順を説明したマニュアルを公開するなどの取り組みを行っています。また、施設の1階から病室に通話をかけられる設備も設けるなどIT機器が苦手な人への配慮も万全です。

「Google Duo」公式サイトはコチラ

医療・介護に特化したサービスも登場

医療・介護業界はオンライン面会の需要も多いため、業界特化型のビデオ通話アプリも多数リリースされています。その中でも人気な3つのアプリを見ていきましょう。

医療施設向けタブレット端末 HosPad

医療施設での利用に特化した「HosPad」は、オンライン面会に必要な機能を内蔵したタブレット製品です。ビデオ通話のアプリはインストールと初期設定が完了した状態で施設に配布されるため、導入にかかる手間隙を最小限に抑えられるというメリットがあります。稼動域の大きい専用スタンドや端末保護用のカバー、入居者と面会者に向けた分かりやすいマニュアルなど充実したサポートセットも魅力的です。運用方法についてもサポートデスクが相談に乗ってくれるので、IT機器の導入に慣れていない場合でも安心と言って良いでしょう。

「HosPad(ホスパッド)」公式サイトはコチラ

介護施設向けオンライン面会サービス「MENKAI GO」

「MENKAI GO」は高齢者が入居する介護施設でのオンライン面会に特化したシステムとして開発されました。必要最低限の操作でオンライン面会が実施出来るように設計されているので、IT機器が苦手な入居者でも快適にビデオ通話を楽しむ事が可能です。また、Web上で提供されているサービスとなっているため施設側で端末へのインストールや機器の設定を行う必要がありません。入居者ごとに面会者情報を紐付け可能なので、通話のかけ間違えの心配がないというのもポイントです。導入コストと手間の少なさやシンプルな操作性から人気を博しています。

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誰でも使える簡単なリモート面会システム「B’s AI Meet」

「B’s AI Meet」は医療施設向けに開発されたオンライン面会システムです。必要なものはノートPC1台のみ、予約・リンクをクリックの2ステップでオンライン面会を実施可能など現場での負担軽減を目的に設計・開発されています。余計な機能を搭載せずシンプルな操作性が追求されている上、専用のサポートダイヤルが用意されているので安心感が高いツールです。また、事前に通話の録画をするか否かを選択出来るようになっているので、後で寂しくなっても入居者が繰り返し映像を視聴する事も出来ます。

「B’s AI Meet」公式サイトはコチラ

トークトーク

 トークトークは、イメージナビ株式会社が提供するOne to Oneビデオ通話サービスです。最大の特徴は顧客側からの使いやすさにあります。アカウント登録もアプリのインストールも行う必要がなく、顧客側はSMSかEメールで予め連絡されたURLにアクセスするだけで通話を始めることが可能です。加えて、デバイスを問わず利用が可能であるため、顧客側は自分が最も使い慣れているデバイスを利用して通話を行うことができます。

セキュリティ面も優れており、通信内容は暗号化されているほか、サーバーを介さずに直接1 on 1での通信を行うため、個人情報や通話記録がサーバー上に残る心配もありません。サーバーを介さないやり取りを行う都合上、導入にあたって専用サーバーを構築するなどの手間もかからない点は特筆に値します。
トークトーク公式サイトはコチラ

オンライン面会サービス は用途に合わせて選ぶのが吉

オンライン面会サービスはコロナ禍という社会情勢の中で普及してきたスタイルですが、感染症対策以外にも様々なメリットが期待されています。導入に際して不安があるようであれば、まずはシンプルな操作性とマルチデバイス対応の取り回しの良さが魅力である「トークトーク」を利用してみましょう。興味が湧いたのであれば、まずはイメージナビ株式会社まで問い合わせを行うことをおすすめします。